昔々あるところに、それはそれは綺麗で凶暴なお嬢様がおりました。お嬢様はとても刺激の少ない普段の生活に飽き飽きしていました。しかしそんなある日、お嬢様の兄上が何者かによって殺されてしまったのです。これを好機とみたお嬢様は、兄上の死を口実に村を飛び出すことに成功しました。

そんなお嬢様が道を歩いていると、まもののむれが現れました。どうやら一人でいるお嬢様に目をつけ、金品を強奪しようとしています。しかし、これが悲劇の始まりでした。

まもの「おい人間!命が惜しければ金目の物を置いていくんだな」
お嬢様「あらあら、お馬鹿なまもの。私の恐ろしさを教えてあげるわ」
ま「何だと!人間のくせ…う、うぎゃぁぁぁぁぁぁあぁあ!」

後に惨劇の様子を目撃したまものは震えながら語りだした。

ま「あ、悪魔だ!俺は悪魔をみたんだぁぁ!!」

そしてこの惨劇に関わったまものは皆口を硬く閉ざし、真実を語ろうとしなかった…。

この事件をきっかけにお嬢様はある決心をしました。
「こんなにも世の中に悪が蔓延っているなんて…。このままではいけないわ。兄上の敵だけなんて言わず、この世の悪全てを駆逐して見せるわ!私の正義にかけて!」

これを機にお嬢様の正義の心は肥大していきました。

お嬢サマ「主人公、この世に主人公は二人も要らない。だからあなたは悪!」
主「うわぁぁぁぁ!」

お嬢サマ「ヤンガス、山賊風情がのうのうと生きてるなんて悪!」
ヤ「ぐわぁぁぁぁ!」

お嬢サマ「ミイラ男、あなたの呪いは悪そのもの!」
ミ「ひぎゃぁぁぁ!」

お嬢サマ「チャゴス、あなたは顔が既に悪!」
チ「ぷぎゃぁぁぁ!」

お嬢サマ「ドルマゲス、もう全部が悪!」
ド「ぬわぁぁぁっ!」

正義の力を振りかざし、とうとう仇のドルマゲスを討ち取ることができたのです。しかし、あまりにも育ちすぎた正義の心は封印の杖を取ることによって、抑えることの出来ない力へとなってしまいました。
事の重大さをしらされた正義の犠牲者、主人公達はお嬢様の暴走を止めることなど考えもせずひたすら遠くへと逃げたのです。

命からがら逃げきることができ、ようやく一つの街へと着きました。これで安全に一生を終えることが出来ると思っていた所、とうとうあの女と出会ってしまいました。以前とは比べ物にならない形相をしたお嬢様に。

ヤ「あ、アニキ!こいつは一体何者でがすか!?」

主「こ、こいつはゼシカ・アルバート…。正義の為に悪魔に魂を売り渡した女だ!!

お「ふふ、棺桶から出てくるなんて悪そのものね。排除しなくては。」

主「く、くそ…。ぱふぱふ屋へ行くまで死ぬわけには行かない!」

こうして正義と自由とエロスをかけた聖戦が今始まろうとしている…

っていう紙芝居をスカモン達と考えた俺です。これはヤバイ出来だね。かなりきてるよ。主人公達に見せたらどんな反応するだろうか…妄想してみよう…。

…ふふ…きたぞ…。見えるぞ…浮かんできたぞ…!

主人公達が大爆笑している姿がありありと浮かんできたぞ!

…さていくか。

こんな紙芝居を作っていたのも、全てはお嬢に勝てないからである。結局新しい布陣で挑んでから、70回ぐらい敗北しているのだ。しかし、今回は違うぞ。紙芝居を作ったことでスカモン達のテンションもうなぎのぼりだ!途中から予告編みたいな書き方に変わっているがきにするな!体の毒だ!

そして挑み続けること79回戦目。とうとう従者達の愛が通じることに!お嬢がシャドーを展開するのを躊躇った為、怒涛の如く攻撃を繰り出すスカモン達。そしてついに、お嬢の体は宙を舞ったのだ!

と う と う や っ た よ !

従者達の力によって、お嬢を弱らせることに成功。しかし、お嬢は杖の力を使って街ごと吹き飛ばそうと試みる。ありゃりゃ、従者達の愛は通じなかったのか?

しかしグットタイミングでハワードが現れ、自信満々に結界を張り始めた。今度の結界は本物らしく、お嬢の手から杖を吹き飛ばすことに成功。今だけは礼を言わせてもらうぜハワード!
なんて感心していたらハワードにお嬢へ止めを刺せと命令される。き、きさま!ちょっと誉めたらこれかよ!?前言撤回だ、やはり許さん!本当は捻りつぶしてやりたいところだが、お嬢の体が心配なのでひとまず事情を話してみることに。釈然としないがハワードは納得してくれたようだ。危ない危ない。

どうやらお嬢は夢の中でご先祖様について話している模様。
サーベルト兄さんの話によれば、賢者の力はお嬢に引き継がれているのではないかと。
確かに最初はとてもとても不安だったが、ドルマゲス戦あたりからはメキメキと魔法使いとしての頭角を現していた。今ではすっかり魔法も使いこなせるレベルにまで達している。お嬢がおかしくなっていたのも、決して筋肉のせいではなく呪いによるものだとわかり私も一安心。これからは立派な魔法使いとして、頼りにさせてもらいます。

目を覚ましたお嬢の話で今までドルマゲスが殺していった人たちのつながりがわかった。なるほど、それぞれ賢者の末裔だったのか。かなり壮大な繋がりだな。
じゃあ次はチェルスを守ればいいということか。やはりハワードは賢者の末裔ではなかったんだなぁ。あの顔で賢者の血を引いていたら世も末というものだ、なんて色々と納得していたらお嬢が杖の在り処を尋ねてくる。あれ?そういえば、従者達への応援に夢中で気づかなかったな。
あんな危険なものを野放しにしておくのも落ち着かないので探すことにするか。

もう少しで棺桶生活に逆戻りになる主人公達を気遣い、のんびり杖を探索しているとチェルスがレオパルドちゃまに襲われているではないか!急いで駆けつけるが時既に遅し。死ぬ間際まで他人の心配をしているなんて、どこまで人がいいんだよバカヤロウ!
ハワードもチェルスのなきがらを見て全てを思い出したようで、愕然とする。

せめてもの償いとして手厚くチェルスを葬ると約束するハワード。原因でもあるレオパルドも俺達に退治してくれないかと懇願してくる。断る理由もないので承諾する。お礼にお嬢の魔法使いとしての才能を開花させてくれるという。どうやらまだ半分ばかり眠っているとのことらしい。

そうか、今までムチばかり振るって魔法使いのオーラがまったく出ていないなあと感じたのは、間違いではないということか。

ハワードによって、お嬢が覚醒し始める!その影響を受け、何とベギラゴンとマヒャドを会得したお嬢!!オオ…イ…イラネエ…。

館を出たところで、お嬢がなにやら謝りはじめる。改まって謝る姿を見て、うけてしまう。ギャハハ。おかしいかなとの問いかけに、今回ははいを選択。実際おかしいからしょうがないな!ギャハハ。お嬢にバカ呼ばわりされながらも、いつもの調子に戻ってくれたのでよかったよかった。これからまた孤軍奮闘になりますが、頑張ってくださいお嬢。あぁ、それからお嬢の大事な従者達にも労いの言葉を忘れずにお願いしますね。

なんてことをいいながら見上げた空は、いつものような青空だった。

…ん、いつものオチはないのかと?きみたち、私がそんなワンパターンなことをすると思うのかね?私はそんな単純な考えの持ち主ではないのだよ。それに、

ここでオチがあったらまずいだろ

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