まぶしい世界 Level39
2005年4月9日 YARIKOMIここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。
最初の頃のお嬢はまさに女の子そのもので、すぐに教会送りとさせられてばかり。攻撃手段も貧弱極まりなく、果たしてこれから本当にやっていけるのかと心配してしまうばかり。
しかしそんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、嘆きの亡霊戦だ。
その時の圧倒的な実力を見せ付けられ、これからの旅の無事を確信した私はその後も破竹の勢いで進んでいった。
まったく呪文も使わずムチのみで魔物をなぎ倒していくお嬢を、時には戦士と皮肉り時には冷徹な悪魔と称え一喜一憂しながら。
そしてとうとう訪れたドルマゲス戦では、まさに戦場に降り立った戦天使のような動きに感動し、宿敵を打ちのめす事が出来た。
その後も自分が呪われたり、わけのわからない幽霊と戦ったり、神鳥にからまれたり、1ヶ月も投獄されたりととんでもないことばかり体験してきたが、それでもお嬢はここまで来ることが出来た。それもたった一人で。
だからこそ、今度の大ボスもきっと一人で破ることが出来るはず。この過酷な旅を通して一人でも戦い抜く力を身につけ、誰にも頼らずに乗り切ろうとするくじけぬ心を育ててきたから。
例え戦闘開始時でいきなり他の仲間が瞬殺されようとも、お嬢のモチベーションには何ら影響を与えない。
そんなこと日常茶飯事だし、何よりお嬢は一人で戦場に立ってるほうが調子も上がってくるのさ。
今のお嬢に笑いはないし、笑える所もない。今までがいくら笑いだらけのおちゃらけな旅だったとしても、最後だけはビシッと決めるのがこの人間を観察してきた私の最後の役目だ。ゴールはもう目の前です、お嬢。ビシッと決めてやりましょう!
ラプソーンへと何度も挑むお嬢ではあるが、やはり今までと同じく圧倒的な力の前にねじ伏せられてしまう。
何と言ってもいてつく波動を撃つ回数が今までとは比べ物にならない。今だに3回以上ためたことさえないのだから恐ろしい。
果たしてこの波動の嵐を潜り抜けるにはどうすればいいのか…。
ラストバトルということもあり、ガラにもなく真剣に考えてみた…。するとどうだ…見える…見えてきてるぞ!この波動の帯から逃れる為に足りないものが見えてきたぞ!!
愛と勇気とおいろけ…
これだ…この3つが足りないからだ…そうに違いない…
普段から見当違いなことを考えるオレがひらめいたんだからそうに違いない!よし、早速補充しに行こうじゃないか!
まずはお色気か…。お色気といえばやっぱりハッスルダンスを踊るのが一番だろう。これでお色気は確保できた。
次に勇気か…。勇気といえば…何だ?勇気のある行為…何も装備せず何も道具を持たずに戦いに向かえばいいのか…?
微妙に勇気と無謀を取り間違っている気がしないでもないが…問題ないな。
最後に愛か…。うーん…愛と言われてもなぁ、基本的に一人で旅をしてきたお嬢に愛なんてないと思うんだけど。
・・・・
・・・・・・・あった。
ラグザットのことを言ってるのか!
つまり裸一貫で突撃してハッスルダンスを踊りながらラグザットに愛を伝えてもらえれば完璧ということだな!
よし…よし…。
ここはいつものセリフを言うしかないな。
よし、この作戦は危険すぎる。一旦保留だな。
とはいえ、景気付けにハッスルダンスを一回踊り再挑戦してみるととんでもないことが起きてしまった。
何と始めて50までためる事が出来たのです!
い、いいのか!?おいろけなんかで流れを掴んでしまったいいのか!?というか暗黒神ほどの相手においろけ程度で流れてしまうのか!?
不安と驚きと焦りと憤りでいっぱいのオレを余所に、お嬢は最初マダンテを放った。そしてラプソーンの攻撃は激しい炎と神の怒りという理想的なパターンで済んだ。
ど…どうする?MPを回復してマダンテを打てれば全てに決着がする。HPもさっきのパターンさえ来てくれれば耐えられるくらい残っている。
しかし、もしもここで念じボールを一度でも打たれたら恐らく全滅は免れない。
どうする…いくか…?それともここは一旦様子を見るか…?千載一遇のチャンス…生かすも殺すもオレ次第じゃないか…。
と、悩んでしまったが何を考えてる。今までも私達は、無謀と運を合言葉にここまで来たんじゃないか。そう思えば、私が次に出す指示は悩むほどの選択でもないじゃないか。
私はお嬢にエルフの薬を飲ませ、後はラプソーンの攻撃にお嬢が耐えてくれるかどうか見守るだけだった。
祈る私の耳元にある音が聞こえてきた。その音はいわゆる勝利の女神の音、と言う奴であろうか。
人生とは素晴らしい
次に私が目を開けたときには、2発目のマダンテを打とうとしているお嬢の姿が映った。
そして世界は、何事もなかったかのようないつもの顔へと戻った
お嬢の活躍により、世界は元通りに帰ることができたがお手柄は何故か4等分である。その中でもひたすらもてはやされた主人公は、あれよあれよという間にハッピーエンドへ突入だ。
それに比べお嬢といえば、スポットライトから外されたばかりか最後には主人公のお膳立てに参加してしまう始末。
どうやら…
世界を元に戻しただけでなく、キャラの優越関係まで戻してしまったようだ。
ウ〜ン、お嬢に幸あれ。
END
最初の頃のお嬢はまさに女の子そのもので、すぐに教会送りとさせられてばかり。攻撃手段も貧弱極まりなく、果たしてこれから本当にやっていけるのかと心配してしまうばかり。
しかしそんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、嘆きの亡霊戦だ。
その時の圧倒的な実力を見せ付けられ、これからの旅の無事を確信した私はその後も破竹の勢いで進んでいった。
まったく呪文も使わずムチのみで魔物をなぎ倒していくお嬢を、時には戦士と皮肉り時には冷徹な悪魔と称え一喜一憂しながら。
そしてとうとう訪れたドルマゲス戦では、まさに戦場に降り立った戦天使のような動きに感動し、宿敵を打ちのめす事が出来た。
その後も自分が呪われたり、わけのわからない幽霊と戦ったり、神鳥にからまれたり、1ヶ月も投獄されたりととんでもないことばかり体験してきたが、それでもお嬢はここまで来ることが出来た。それもたった一人で。
だからこそ、今度の大ボスもきっと一人で破ることが出来るはず。この過酷な旅を通して一人でも戦い抜く力を身につけ、誰にも頼らずに乗り切ろうとするくじけぬ心を育ててきたから。
例え戦闘開始時でいきなり他の仲間が瞬殺されようとも、お嬢のモチベーションには何ら影響を与えない。
そんなこと日常茶飯事だし、何よりお嬢は一人で戦場に立ってるほうが調子も上がってくるのさ。
今のお嬢に笑いはないし、笑える所もない。今までがいくら笑いだらけのおちゃらけな旅だったとしても、最後だけはビシッと決めるのがこの人間を観察してきた私の最後の役目だ。ゴールはもう目の前です、お嬢。ビシッと決めてやりましょう!
ラプソーンへと何度も挑むお嬢ではあるが、やはり今までと同じく圧倒的な力の前にねじ伏せられてしまう。
何と言ってもいてつく波動を撃つ回数が今までとは比べ物にならない。今だに3回以上ためたことさえないのだから恐ろしい。
果たしてこの波動の嵐を潜り抜けるにはどうすればいいのか…。
ラストバトルということもあり、ガラにもなく真剣に考えてみた…。するとどうだ…見える…見えてきてるぞ!この波動の帯から逃れる為に足りないものが見えてきたぞ!!
愛と勇気とおいろけ…
これだ…この3つが足りないからだ…そうに違いない…
普段から見当違いなことを考えるオレがひらめいたんだからそうに違いない!よし、早速補充しに行こうじゃないか!
まずはお色気か…。お色気といえばやっぱりハッスルダンスを踊るのが一番だろう。これでお色気は確保できた。
次に勇気か…。勇気といえば…何だ?勇気のある行為…何も装備せず何も道具を持たずに戦いに向かえばいいのか…?
微妙に勇気と無謀を取り間違っている気がしないでもないが…問題ないな。
最後に愛か…。うーん…愛と言われてもなぁ、基本的に一人で旅をしてきたお嬢に愛なんてないと思うんだけど。
・・・・
・・・・・・・あった。
ラグザットのことを言ってるのか!
つまり裸一貫で突撃してハッスルダンスを踊りながらラグザットに愛を伝えてもらえれば完璧ということだな!
よし…よし…。
ここはいつものセリフを言うしかないな。
よし、この作戦は危険すぎる。一旦保留だな。
とはいえ、景気付けにハッスルダンスを一回踊り再挑戦してみるととんでもないことが起きてしまった。
何と始めて50までためる事が出来たのです!
い、いいのか!?おいろけなんかで流れを掴んでしまったいいのか!?というか暗黒神ほどの相手においろけ程度で流れてしまうのか!?
不安と驚きと焦りと憤りでいっぱいのオレを余所に、お嬢は最初マダンテを放った。そしてラプソーンの攻撃は激しい炎と神の怒りという理想的なパターンで済んだ。
ど…どうする?MPを回復してマダンテを打てれば全てに決着がする。HPもさっきのパターンさえ来てくれれば耐えられるくらい残っている。
しかし、もしもここで念じボールを一度でも打たれたら恐らく全滅は免れない。
どうする…いくか…?それともここは一旦様子を見るか…?千載一遇のチャンス…生かすも殺すもオレ次第じゃないか…。
と、悩んでしまったが何を考えてる。今までも私達は、無謀と運を合言葉にここまで来たんじゃないか。そう思えば、私が次に出す指示は悩むほどの選択でもないじゃないか。
私はお嬢にエルフの薬を飲ませ、後はラプソーンの攻撃にお嬢が耐えてくれるかどうか見守るだけだった。
祈る私の耳元にある音が聞こえてきた。その音はいわゆる勝利の女神の音、と言う奴であろうか。
人生とは素晴らしい
次に私が目を開けたときには、2発目のマダンテを打とうとしているお嬢の姿が映った。
そして世界は、何事もなかったかのようないつもの顔へと戻った
お嬢の活躍により、世界は元通りに帰ることができたがお手柄は何故か4等分である。その中でもひたすらもてはやされた主人公は、あれよあれよという間にハッピーエンドへ突入だ。
それに比べお嬢といえば、スポットライトから外されたばかりか最後には主人公のお膳立てに参加してしまう始末。
どうやら…
世界を元に戻しただけでなく、キャラの優越関係まで戻してしまったようだ。
ウ〜ン、お嬢に幸あれ。
END
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